プレスリリース
「公正な取引慣行の実現」に向けた取り組みの一環として、公正取引委員会・中小企業庁・消費者庁に要請書を提出しました! (2021年3月5日)
3月5日(金)に、UAゼンセンと連携して、公正取引委員会(田辺取引部長)、中小企業庁(亀井事業環境部 取引課長)、消費者庁(吉村消費者教育推進課長)に対して、「公正な取引慣行の実現」に関する要請を行いました。フード連合からは伊藤会長以下2名、UAゼンセンからは松浦会長以下5名の合計9名が同行しました。
公正取引委員会では、伊藤会長から、①優越的地位の濫用事例を踏まえた小売業者などに対する適正な改善指導や法令遵守、とりわけ、継続して多数の報告が寄せられている「不当な労務提供、押し付け販売」に関する取り組みの強化、②告発納入業者および告発者の保護、③「大規模小売業告示」の周知の徹底と指導強化に関する「要請書」(別添の「要請書」参照)を手交しました。
そして、青木政策局長から昨年実施した「取引慣行に関する実態調査」(2020年9月~10月)の結果について報告しました。
田辺取引部長からは、「コロナ禍もあり、中小企業を中心として取り巻く環境は厳しくなっている。優越的地位の濫用行為に対する取り締まりは特に重要である。具体的な企業名が記載された調査結果は、今後の参考にさせていただく。」などのコメントがありました。
その後伊藤会長から、「コロナ禍により様々な環境の変化があった。これを機に問題のある商習慣を変えていくことが重要である。また、グレーな商習慣も多いという認識を持ちつつ、改善に向けた取り組みを要望する。」と伝えました。
中小企業庁では、公正取引委員会への要請と同様に、亀井事業環境部 取引課長に「要請書」を手交し、調査結果について報告しました。
「今年度から『パートナーシップ構築宣言』の仕組みを導入し、会社単位で取引慣行の改善に向けた取り組みを行うように働きかけている。」「業界、および企業に働きかけるためには具体的な現場の『生の声』が複数必要である。引き続き情報提供をお願いしたい。」などのコメントがありました。
消費者庁では、吉村消費者教育推進課長に対して、①消費者が自らの適切な判断により、健全なフードバリューチェーンを実現するために、実効性のある対策を検討・推進すること、②単に安価を追求するだけではなく、持続的な食品提供を実現することが“食の安全・安心”につながることについて消費者教育に反映すること等を要請しました(別添の「要請書」参照)。そして、青木政策局長から、本要請の基点となる上記の調査結果について報告しました。
吉村消費者教育推進課長からは、「調査結果によると、押しつけ販売は季節商品が多くなっており、食品ロスの原因にもなっている。持続可能な消費に向けて働きかけを進めていく。」「『食』の適正な価格の実現については、消費者教育等を通じて取り組みを進めていく。」などのコメントがあり、その後意見交換を行いました。
今回の要請についても、これまで取り組んできた不公正な取引慣行の実態の周知や是正要請等の取り組みに加え、食品の本来あるべき「商品価値」・「付加価値」に見合う「販売価格」となっているかについて問題提起することもでき、有意義な要請行動となりました。
今後フード連合は、公正取引委員会地方事務所等に対しても、同様の要請を行っていくとともに、「取引慣行に関する実態調査」に関する具体的な事例などの詳細について、公正取引委員会・中小企業庁に対して実務者協議を行うこととしています。また、流通関係の業界団体等に対しても報告・意見交換を行うなど、引き続き「公正な取引慣行の実現」に向けて活動を展開していきます。
◆クリックすると要請書が開きます。
①公正取引委員会に対する要請書
②中小企業庁に対する要請書
③消費者庁に対する要請書