新入社員の皆さんへ
4月は、電車や街中で、真新しいスーツ姿の新入社員であろう若者達を拝見する。
毎年、産労総合研究所(※)からその年の新入社員のタイプが発表されるが、2022年度は、「新感覚の二刀流タイプ」である。
新型コロナウイルス感染症拡大のため、大学・後半期にさまざまな活動制限を受け、インターンシップや就職活動を、対面とオンラインの2つのスタイルで二刀流のようにこなしたことが理由のようだ。
過去の新入社員のタイプはどうであったか、いくつか紹介する。
1985年度:「使い捨てカイロ型」
揉まないと熱くならず、扱い方も難しい。
2003年度:「カメラ付きケータイ型」
その場で瞬時に情報を取り込み、発信する処理能力を持ち、機能も豊富だが、経験がなかなか蓄積されない。
2014年度:「自動ブレーキ型」
知識豊富で敏感。何事も安全運転の傾向がある。人を傷つけない安心感はあるが、どこか馬力不足。
(※1973~2002年 現代コミュニケーションセンター、2003年~
2017年日本生産性本部、2018年~産労総合研究所 より発表)
この発表は、採用・就職に関するアンケートの調査結果により、新入社員の育成のヒントとなるよう特徴をまとめている。
誰もが若い頃、上司や先輩に「最近の若者は・・・」と言われた経験があるはずで、その当人が、年月が経てば同じように言っているのはよくある話。新入社員の時、上司や先輩から頼りなく危なかっしいと思われていても、色んな経験を積んで、皆、一人前の社会人に成長していくものだ。先輩の皆さんには、「最近の若者」を暖かく見守っていただきたいし、「最近の若者」は、焦らず一歩ずつ前に進んでいただきたい。
社内には様々なルール(就業規則等)があり、それを遵守して業務を行わなければならない。働く者(労働者)が守らなければならないルールがあると同時に、働かせる側(企業)にも守るべきルール(労働基準法等)があることを新入社員の皆さんには、是非、知ってもらいたい。
会社から、理不尽なこと(残業代が支払われない、休暇が取得できない等)を指示・命令されることがあるかも知れない。「このルール、何かおかしいな」と思うことがあれば、必ず誰かに相談することです。周りの先輩に相談しても駄目な時は、社内に労働組合があれば労働組合へ相談し、もし、労働組合がないなら、連合「なんでも相談ホットライン」へ、そして、食品関連産業で働いている方は、フード連合へご連絡いただきたい。
フード連合 会長 伊藤敏行