忘れない

忘れない

久しぶりのコロナ禍でない年末年始、新たな年を迎え、ご家族やご親戚と団らんで過ごしていた方も多いと思います。

1月1日16時10分ごろ、石川県能登半島でマグネチュード7.6、最大震度7の大地震が発生しました。地震のみならず、津波、火災、土砂崩れによって、家屋が倒壊するなど、甚大な被害が発生しました。

災害によって、お亡くなりになった方にお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に衷心よりお見舞い申し上げます。

そして、救出作業にあたっていただいている自衛隊、消防隊、警察官や、ライフラインの復旧にご尽力いただいている働く仲間の皆様に、心より感謝と敬意を表します。

道路が寸断され支援物資が十分に届かず、又、寒さによって体調を壊すなど不自由な避難生活を強いられている様子を、テレビや新聞で拝見すると、辛い気持ちになり、何かできないものかと思います。

1月の寒い時期の地震ということもあり、29年前の1995年の阪神・淡路大震災を思い出します。

当時、私は、大関労組(兵庫県西宮市)の中央執行委員でした。多くの組合員が被災し、会社も大きな被害となりしばらく操業できませんでした。

そのような中、私以外の執行部は、ほとんどが被災者でありましたが、緊急の執行委員会を開催し、組合員の安否確認から始まり、救援物資の運搬、支援金の支給、会社と賃金の支払いに関する協議等を行いました。

そして、その後、産別はじめ全国の多くの働く仲間の皆様からお見舞金を頂戴するなど、各方面から温かいご支援をいただいたことは、私にとって、一生忘れることはありません。

「労働組合があって良かった」「産別の仲間はありがたい」「連合は頼りになる」

あの時、心底、そう思いました。

このたびの能登半島地震は、復旧から復興へ息の長い支援が必要であると思います。私たちが、今すぐできることは限られておりますが、必ず労働組合の出番があります。

その時のためにも、被災地に想いを寄せることを「忘れない」でいましょう。

フード連合 会長 伊藤敏行