ハインリッヒの法則
皆さん、「ハインリッヒの法則」をご存じでしょうか?「ハインリッヒの法則」とは、「1:29:300の法則」とも呼ばれ、1931年、アメリカの損害保険会社の統計分析の専門家であったハーバート・ハインリッヒが発表した法則です。
「1件の重大災害(死亡・手足の切断等)があったとすると、29回の軽傷(応急手当だけで済むかすり傷)、傷害のない事故(傷害や物損の可能性があるもの)を300回起こしている。」というもので、300回の無傷害事故の背後には数千の不安全行動や不安全状態があることも指摘しています。
また、ハインリッヒは、この比率について、鉄骨の組立と事務員では異なっているとも言っていますが、重要なことは、災害という事象の背景には、危険有害要因が数多くあるということであり、ヒヤリハット等の情報をできるだけ把握し、迅速、的確にその対応策を講ずることが必要であるということです。
各事業場には「安全第一」の看板やポスターが掲げられています。皆さんの職場は、本当に「安全第一」になっていますか?「安全第一」は、掛け声だけで、実質は、「売上第一」、「利益第一」、「稼働率第一」なっていませんか?
労働安全衛生法では、事業者の責務として、
・「快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない」(第3条)、
一方、
・「労働者は、労働災害を防止するために必要な事項を守るほか、事業者その他の関係者が実施する労働災害の防止に関する措置に協力するように努めなければならない」(第4条)
と、なっています。
つまり、「安全衛生活動」は、労使の重要な営みであり、最も優先されるものです。
労働者の命を守るために、今一度、「ハインリッヒ(1:29:300)の法則」を思い出し、労使協力して「ゼロ災害職場」を築いていきましょう。
全ての働く仲間の皆さん「ご安全に」
フード連合 会長 伊藤敏行